仮定法とは
英語の仮定法(Subjunctive mood)は、「もし〜ならば」や「〜すべきだ」など、非現実的な状況や要求、提案を表すための特別な文法形式です。実際には存在しない状況を仮定する時や、強く希望する状況を表現する時に使用されます。
仮定法過去
仮定法過去は、非現実的な状況や不可能な事象を述べるために使用される英語の文法形式です。主に現在または未来の仮定的な状況を表現する際に使います。仮定法過去は、’if’で始まる条件節において、’were’、’had’、または過去形の動詞を使用します。
特に「were」は全ての人称(I, you, he, she, it, we, they)に対して使うことが可能で、この形を使うときは通常の過去形ではなく仮定法の過去形であることを示しています。
例文:
- “If I were a bird, I would fly to you.”(もし私が鳥だったら、あなたのところへ飛んで行くだろう。)
- “If she were here, she would solve the problem.”(もし彼女がここにいたら、問題を解決できるだろう。)
- “If you had a million dollars, what would you do?”(もし君が100万ドル持っていたら、何をする?)
- “If we won the lottery, we would buy a house.”(もし私たちが宝くじに当たったら、家を買うだろう。)
これらの文は全て仮定法過去を使っていて、現実ではない事象や可能性が低い状況を表しています。
仮定法過去完了
仮定法過去完了は、過去に起こった事象についての非現実的な状況を表現するために使用されます。つまり、「もし~だったら、~だったであろう」のように、過去の出来事についての想像を述べる際に使います。これは主に「if」を使った仮定節で、過去完了形(had + 過去分詞)を用いて表現します。
例文:
- “If I had studied harder, I would have passed the exam.”(もしもっと一生懸命勉強していたら、試験に合格していただろう。)
- “If she had woken up earlier, she wouldn’t have missed the train.”(もし彼女がもっと早く起きていたら、電車に遅れることはなかっただろう。)
- “If we had left home earlier, we could have caught the flight.”(もし私たちがもっと早く家を出ていたら、飛行機に間に合っていたでしょう。)
- “If you had told me about the problem, I could have helped you.”(もし問題について私に話していたら、私はあなたを助けることができただろう。)
これらの文は全て仮定法過去完了を使っていて、過去の出来事について「もし~だったら」の形で想像や推測を述べています。
仮定法未来
仮定法未来は、未来の出来事について非現実的な(または確率が低い)状況を表現するために使用されます。つまり、「もし~なら、~するだろう」のように、未来の出来事についての想像や予測を述べる際に使います。これは主に「if」を使った仮定節で、未来の仮定法(”were to” + 原型動詞)を用いて表現します。
例文:
- “If it were to rain tomorrow, we would stay home.”(もし明日雨が降るなら、私たちは家にいるだろう。)
- “If I were to win the lottery, I would travel around the world.”(もし宝くじに当たったら、私は世界中を旅するだろう。)
- “If she were to get the job, she would have to move to a new city.”(もし彼女がその仕事に就いたら、新しい街に引っ越すことになるだろう。)
- “If they were to find out the truth, they would be shocked.”(もし彼らが真実を知ったら、驚くだろう。)
これらの文は全て仮定法未来を使っていて、未来の出来事について「もし~なら」の形で想像や予測を述べています。
仮定法現在
仮定法現在は、現実ではない現在または将来の状況を表現するために使用されます。つまり、「もし~なら、~するだろう」や「もし~だったら、~だろう」のように、現在や未来の非現実的な状況を述べる際に使います。これは主に「if」を使った仮定節で、「be」動詞が全ての主語(IやHe/She/It)に対して「were」になる形を取ります。
例文:
- “If I were a bird, I would fly in the sky.”(もし私が鳥だったら、空を飛ぶだろう。)
- “If she were here, she would solve this problem.”(もし彼女がここにいたら、この問題を解決できるだろう。)
- “If we were rich, we would buy a big house.”(もし私たちが金持ちだったら、大きな家を買うだろう。)
- “If it were Sunday today, I would be at the beach.”(もし今日が日曜日だったら、私はビーチにいるだろう。)
これらの文は全て仮定法現在を使っていて、現実ではない現在または将来の状況について「もし~なら」の形で想像を述べています。
英語の仮定法でよく使われる慣用表現
I wish
“I wish”の後に仮定法を使うと、「〜であればなあ」という強い希望を表現できます。例:”I wish I were taller.”(もっと背が高ければいいのに)
as if
“as if”の後に仮定法を使うと、「まるで〜のようだ」を表現できます。例:”He talks as if he knew everything.”(彼は何でも知っているかのように話す)
It’s time that
“It’s time that”の後に仮定法を使うと、「〜する時だ」という意味になります。例:”It’s time that we went home.”(もう家に帰る時間だ)
if only
“if only”の後に仮定法を使うと、「〜であればなあ」という強い希望または後悔を表現できます。例:”If only I had studied harder for the exam.”(もっと試験勉強をしていればなあ)
これらの表現を覚えておくと、仮定法を使った表現がより自然になります。しかし、仮定法は少し難しく感じるかもしれませんので、焦らずに少しずつ学ぶことが大切です。
問題
次の文を英語にしましょう。
もし私があなただとしたら、その仕事を受け入れます。
もし私たちが無限の時間を持っているとしたら、すべての本を読むことができます。
もし彼がここにいるとしたら、私たちはもっと楽しいでしょう。
もし今日が金曜日だとしたら、明日はパーティーです。
もし私がその事実を知っているとしたら、それをあなたに教えるでしょう。
もしお金があれば、新しい車を買うでしょう。
もし時間があったら、映画を見るのに行くだろう。
もしあなたがそこにいたら、どうするだろう?
もし彼がそのことを知っていたら、彼はそれを防いだでしょう。
もし彼女が適切な助けを得ていたら、彼女は成功したでしょう。